写真って素晴らしい。

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【トラウマ出産レポ⑤】完全に折れた心での出産

 

全力いきみをする中で

赤ちゃんが産道を通ろうとして、

スポンと元に戻る感覚がわかりました。

もう何が何だかわからない。

スポンちゃうで息子!

いきむとき

息を止めて全力を出すんですけど

そんなん日常生活でやったことがなくて

ほんと毎回意味不明に思いながらやってました。

 

陣痛の間隔(助産師さんは張りって言ってたかな)がわりと長いらしく

普通はもっと短いスパンでやってくる

なんて話を夫と助産師さんがしてた気がします。

ママが休めるように

赤ちゃんゆっくり降りてきてくれてるのかもね〜なんて言ってました。

陣痛の感覚が長いのも短いのも

どっちにしろ恐怖でしかなかったです。

 

で、

また次のいきみで

血管切れて死ぬんじゃないかというくらいいきんで

途中まで赤ちゃんが降りてきました。

今までにない痛み

絶叫。

ギャ〜〜って言ってたんじゃないかな。

「引っかかってるね〜」なんて言われながら

次のタイミングを待ち、

そこで最後のいきみ。

もう終わらせたい一心でした。

終わらせないと私が死ぬ。

 

合図で

いきむのをやめて

呼吸の仕方を変えたり(細かく覚えてないです)

はっはっは、で終わったのかな。

メリメリメリ、って感じで

赤ちゃんが出てくる感覚を感じました。

噂に聞いてた「ドゥルン」で

赤ちゃん誕生。

 

書いてて泣けますね。

終わった瞬間でした。

もう、嬉しいとか感動とか

一切なく。

 

ただただ

「終わった」

そんな放心状態であとの処置をしてもらいました。

 

バタバタと先生や助産師さんが一気に増えて

「あ、こんなに人おったんや」なんて思ってました。

 

赤ちゃんの臍の緒カットは

自分でしましたが

ぼーっとしたまま

無表情で言われた通り2.3回に分けて切っていきました。

メガネしてないから見えへんかったし。

 

胎盤は力入れなくてもでてくるからねーと

助産師さんが作業してくれるのを感じながら

ボーッとしていました。

血圧が高かったので

チカチカしてない?とか

いろいろ聞かれましたが

放心状態で受け流す感じに。

 

体力0

メンタル0

ってこんな状態なのかと

「無」な感じでした。

 

すぐに胸元に赤ちゃんが置かれ

ないてるけど

近すぎて見えないし

メガネもかけてなかったからよくわからないし

実感がないまま

でも

胸の上に

小さな人がいる

そんなことをぼんやり思っていました。

産めたんだ・・・

そう実感した瞬間でした。

 

よくある

ベッドの上でのお母さんと赤ちゃんが並んで写る

「出産しました写真」

お母さん、泣いていたり笑顔じゃないですか。

わたしは笑えなかったなぁ。

ただただしんどすぎてつらすぎて

「やっと終わった」と

ホッとしてボケ〜っとした感じでした。

脳細胞ちょっと死んでたと思う。

おめでとう、とか、ありがとう、とか

そういう美しいものが一切感じられなくて

そんな自分を後ほど責めたりしていました。

 

「バースプラン」という

どんなお産にしたいですか?という

計画を妊婦健診の時に

助産師さんと打ち合わせしてたんですが

私は

「生まれた瞬間の写真を自分の手で撮りたい(余力があれば)」

と伝えていました。

ぼーっとしていたら処置のため息子が連れていかれたので

夫にカメラをもらってその瞬間を収めました。

ちょっと、イメージとは違ったけど

一応目標達成。

 

この写真が、その写真です。

 

夫に写真や動画をたくさん撮ってもらい

その間にも

後処理が行われていました。

助産師さんが胎盤を出す瞬間

またドゥルン、と。

 

お股はヒリヒリしていて

助産師さんがあんなに一生懸命伸ばしてくれたのに

「あぁ、(会陰が)盛大に切れちゃったのかなぁ」と

一応会陰マッサージとか頑張ったのになぁ〜と

ちょっと切ない気持ちでいました。

 

先生が二人登場して

院長ともうひとり

メガネなくてどんな人かわからなかったけど

「縫うのがすごく上手な先生に

縫ってもらいますね」と言われて

ライトがセットされて

なんか自分の下半身に後光が差していて

カッコいいなと思いながら

縫う処置をしてもらいました。

 

これがまた地味に痛くて

「痛い痛い痛いー」と

ここでもまだ叫んでました。

なんならちょっと怒ってました。

「もう痛いの嫌や〜〜〜」と

子どもみたいに言ってた気がする。

先生はごめんねーと笑ってました。

 

その前後でお腹を押されたりして

子宮の戻りの確認。

いまいち戻りが悪かったらしく

薬を点滴してもらったみたいです(うろ覚え)

 

お腹を押すと

お股から液体がジャバーっとでるのが恐怖でした。

後で聞きましたが

会陰は切れておらず

産道が少し傷ついたのでそこを溶ける糸で

縫ってくださったみたいです。

なので違和感はありますが

なんとか気をつけて座れる感じでした。

縫合が終わり

キレイにしてもらい

血圧測定。

ここから妊娠高血圧症候群になる可能性もあるらしく

様子見ていきますね、と言われました。

 

赤ちゃんは一度連れて行かれて

同時にお昼ご飯到着。

起き上がる時

ドバドバとなんか出てくる感じが

すごかったです。

 

ほんの少しいただいて

あとは夫に食べてもらいました。

そうこうしている間に

赤ちゃん到着。

透明ケースに入れられて

ぽや〜っとした顔で

あちこち見ていました。

 

 

自分が産んだ息子、

なんて実感もできず

ただただ

ほぉ〜と眺めていました。

目がある

口がある

鼻がある

手も足もある。

爪が長い。

ほっぺに傷がある。

すごいぽや〜っとしてるけど

大丈夫なん?

瞳の色がグレーだ。

なんか人間じゃないみたい。

 

この子が

お腹の中に10ヶ月もいたのかと

不思議な気持ちで眺めました。

体重もこの時に教えてもらいましたが

2600グラムくらいと小さめでした。

最後の検診では

2900グラムと聞いていたので

こんなに誤差があるんだなぁと思いました。

 

産後は1時間で

面会終了だったので

急いで写真を撮り

夫の初抱っこ。

この人、父になったんやと

これまた不思議な気持ちに。

 

フラットな人なので

どんな気持ちなのかわかんないけど

結婚5年目にして

ついに

私たちに家族が増えました。

 

とっても

不思議な気持ちです。

夫が帰ったあと

わたしはまた横になるように言われて血圧測定。

たぶんほんとは

ごはんのときも横になったままの方がよかったのかもしれません。

赤ちゃんを連れてきてくれた時に

助産師さんにママ起きて大丈夫ですか?

立たないようにしてくださいね、と言われたので。

 

そのあとしばらく安静にしていたら

胎盤を持ってきてくれて

見せてくれました。(バースプランで見たいと伝えてた)

「おぉ・・・」としか言いようのない感じでしたが

そのときはとにかく疲れていたので

写真と動画を撮って、さよならしました。

 

後から

10ヶ月わたしと赤ちゃんを繋いでくれてて

ありがとう、とか言いたかったんやな

ということを思い出しました。

 

そして初乳タイム。

この瞬間からもう

母乳がでてるんだと驚きました。

赤ちゃんを胸の上に置くと

自分でおっぱいを探すんです。

人間ってすごい。

赤ちゃんに少し吸ってもらい

この子は飲むの上手だねと

助産師さんに言われた気がします。

 

そのあと部屋をうつるため

荷物を移動してもらい

室内にあるトイレまで移動することに

なにもでず

このときにふらふらしていることに気づく。

多少気持ち悪くもあったので

さすってもらいながら

しばらくその場で待機。

お産パッドだけ変えてもらい

車椅子に乗りました。

 

トイレから出る時

何も出してないはずなのに真っ赤でびっくりしました。

車椅子で

部屋に通されて

とりあえず寝てくださいと言われました。

ふらふらするのは貧血ですか?と聞くと

羊水も含めて出血量が700mlあったと教えてくれました。

500ml以上は

お産ではちょっと多い部類に入るみたいですね。

水分とって、食事も摂ることが大事と教わりました。

 

寝てくださいと言われたものの

頭は冴えていて

自分の心臓の音が

ドンドコドンドコと

やけにうるさく響いて眠れず

でもあとあとしんどくなりそうだからと

スマホ見るのをやめて

「安眠」「熟睡」「疲労回復」

で検索したYouTubeの音楽を流しながら

目を閉じてました。

まぁ、眠れませんでしたが。

 

3〜4時間ゆっくりして

その間一回トイレに助産師さんと行き

またフラフラしましたが

トイレできましたと報告。

 

その日は

赤ちゃんを預かってもらい

少し寝た気がします。

 

というわけで

以上が出産レポでした。

 

地獄の前駆陣痛4日間で

心が完全に折れた中での出産。

こんなこと聞いてない!ばかりでしたが

そんな私でも

無事に産むことができました。

 

快適で平和でしあわせなマタニティライフから一変

子育ての現実を知りました。

お前何浮かれてるんや〜

バコーンと頭を殴られたような気持ちでした。

 

あんなに憧れてた妊婦。

あんなに憧れてた「子を持つ」こと。

完全に舐めてました。

 

産後2週間

女性ホルモンは大暴れ。

「自分が死んだ」

と思って毎日過ごしていました。

マタニティブルーズはほんとにつらくて

何度も後悔しました。

後悔していることに罪悪感を覚えるという悪循環。

こんな覚悟もないままに

なんてことをしてしまったんだ、と。

何度も何度も泣いて

助産師さんにたくさん話を聞いてもらいました。

今思うと、異常です。

 

出産レポは終わりですが

コロナ禍での母子同室入院7日間

産後1ヶ月のメンタル崩壊録もまた

書けたら書こうと思います。

 

退院直前の悪寒発熱、細菌感染疑惑で入院延長も

なかなかメンタルやられました。

からの実家での1ヶ月間も辛かった。

自宅に戻ってからも事件が起きて

ほんとうに、ズタボロになりました。

 

あれから5ヶ月。

いろいろありますが

あの地獄の4日間、

そしてお産を乗り越えてみて

産後すぐ思っていたのは

「これ以上ってないな」

ということでした。

 

仕事の悩みやいろんな悩みがあるけど

これ以上大変なことってないわ、と。

産後すぐ、ハイなテンションの時には

「もう私に不可能はない」とまで思ってた。

 

が、今も相変わらず日々グズグズしています。笑

 

いいないいな、

みんな普通に子ども産めて

いいな。

なんて、

ずっと他人を羨ましく思ってました。

が、

今回のお産を通して

すいませんでした!!🙇‍♀️

そんな気持ちでいっぱいです。

 

あんなのを経験して

よくそんな涼しい顔していられますねと

尊敬しかない。

出産後すぐ

全世界のお母さんを心から尊敬したし

母や義理の姉にも

尊敬のメッセージを送りました。

 

二人目とか絶対にムリ。

二度と体験したくない。

死ぬほど頑張って産んだこの子を

大切に育てていこうと

心に誓いたくて

あのしんどさを、忘れたくなくて

今回詳細なレポを

書いておきたいと思いました。

自分のお産はこんなにしんどかったんだ!

てことを言いたくて書いてるわけじゃないです。

 

このレポは、産後すぐスマホのメモに書いて

それを産後16日目にまとめて

さらに今、産後5ヶ月経ってからもう一度加筆修正を行いました。

 

今思うのは

息子はわたしの誇りだな、ということです。

めちゃくちゃ頑張った。

一生分頑張った。

力を振り絞るって、こういうことかと。

全力って、これか、と。

あきらめないって、これなんかと。

もうすでに、感覚としては忘れかけているけれど

どんなにダメダメでも、ぐずぐずでも

やりきったから今息子が目の前にいる。

自分のダメさに落ち込む毎日だけど

今回書きなおしてみて

息子はわたしの誇りなんだと

胸を張って言えると思いました。

 

こんな経験をさせてくれてありがとう

そう思います。

 

ただただ願うのは

これからお産を迎える方たちが

どうか安産でありますように。。